人生では思うようにいかないことも多く、ストレスが貯まることになります。そのため、暴力、不登校、ひきこもり、体調不良、精神的不安定等の問題が起こります。
心理学では、ストレス発散がうまくできない場合に人は、(1)行動化(暴力、暴言、ひきこもり等)、(2)身体化(頭痛、腹痛、倦怠感等)、(3)精神化(イライラ、ゆううつ、不安等)といった形で問題が生じると考えています。
そのような状態について対応するために人は、体を動かす、散歩をする、食べる等で何とかしようとします。それらはそれぞれに有効なのですが、心理学では「言語化」(「話すこと」)がとても有効だと考えられています。
ストレスが貯まりモヤモヤした心の状態について「話すこと」をしないと、「物言わぬは腹ふくるるわざなり」という言い方があるように、心身の不調が生じやすくなります。
「話すこと」には2つの意味があります。1つは、もモヤモヤを「話すこと」(はなすこと)は心の中に貯まったものを外に「離す・放すこと」(はなすこと)になり、心が軽くなったりスッキリしたりします。そのような現象を、専門語では<カタルシス>と言います。
もう1つは、「話すこと」によって、何に対して自分はモヤモヤしているのか、どうしたいのかが次第にはっきりしてきます。そのような現象を専門語では<自己客観視>と言います。
ちなみに人が「話すこと」を専門的に「聴くこと」をする職業があります。それはカウンセラーです。カウンセリングでは、「よく聴く=よく効く(効果的)」、「よく聴かない=よく効かない(効果的でない)」と言われています。クライエントは、カウンセラーがよく聴いてくれることによって、心の内をうまく話すことができて、心身の状態が安定化します。
言わずもがなですが、「話すこと」をする相手は、特にカウンセラーでなくてもよいのです。家族、仲間、友人等でもよいのです。それらの人は身近にいて、特に予約をしたり、お金を払ったりしなくてもよいので、話す相手としてはとてもいいと思います。ストレスに対して、「話すこと」によって乗り切っていただきたいと思います。