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「判断ができない」「考えがまとまらない」という時の心の病気の可能性
「判断ができない」「考えがまとまらない」という時の心の病気の可能性
- 物事を判断するのがしんどい
- 考えがうまくまとまらない
- 簡単なことでもなかなか決められない
- 集中力を維持できない
もし、こんな症状に悩んでいるなら「心の病気」の可能性を疑った方がいいかもしれません。
今回は「判断ができない」「考えがまとまらない」という症状に関連する3つの病気をご紹介します。
「判断ができない」「考えがまとまらない」時の心の病気
判断ができない、考えがまとまらない時の病気としては「うつ病」「双極性障害」「統合失調症」の3つが挙げられます。
うつ病
うつ病は「ほとんど1日中、毎日続く抑うつ気分(=憂鬱な気持ちや気分の落ち込み)」や「活動における興味や喜びの減退」を中心とした心の病気です。
うつ病は心理的な症状だけでなく、身体的な症状も伴います。そのひとつが「思考力や集中力の減退」や「決断困難」という症状です。本人がどれだけ「考えなきゃ」「集中しなきゃ」と意識しても、
- そもそも考えが浮かんでこない??
- 関係のない考えが浮かぶ
- 考えが浮かんでもすぐに消えてしまう
など、適切な言葉や行動にするためのプロセスに邪魔が入りやすくなるのです。その結果、1つの決断を下すまでに以前よりも多くの時間がかかり、仕事や日常生活に支障をきたすようになります。
双極性障害
双極性障害は「うつ状態」と「躁状態」を繰り返す病気です。躁状態になると異常なほどに気分が高揚し、活動的になります。
「気分が高揚して活動的なのは良いことでは?」と思われるかもしれませんが、実は心や身体のブレーキが機能していない危険な状態です。通常の状態であれば「相手との関係が壊れるかも」と飲み込むような言葉も他者にぶつけてしまうことが増えますし、「欲しい」と思えばどれだけ高いものでも後先考えず購入してしまうなど、様々なトラブルを引き起こしやすくなってしまいます。本人も躁状態が落ち着くと冷静さを取り戻しますから、「どうしてあんなことをしてしまったんだろう」と後悔に苛まれる場合があります。
双極性障害でも「判断できない」「考えがまとまらない」という症状が現れます。躁状態では「観念奔逸」と呼ばれる症状により、アイデアがあふれ出し、考えをまとめられなくなります。また、うつ状態の時には先ほどご紹介したうつ病と同様に「思考力や集中力の減退」や「決断困難」が見られる場合があります。
普段から気分の波が激しく、「アイデアは浮かんでくるけど1つのことに集中できないなぁ」「調子がいい時と調子が悪い時とで思考力や決断力に差がありすぎる…」という場合には双極性障害を疑ってみてもいいかもしれません。
統合失調症
統合失調症は「陽性症状」と「陰性症状」の2つの症状による病気です。
陽性症状は幻覚や妄想など、現実的にはありえないものを知覚したり、信じ込んだりする症状です。
一方、陰性症状はこれまで持っていた力が低下してしまう症状です。陰性症状のひとつとして「認知機能障害」があります。認知機能とは物事の理解や適切な行動の実行に必要となる知的機能の総称です。
例えば、私たちは「横断歩道を渡る」という行動を取るだけでも、
- 青が「渡れ」の合図だと覚えている「記憶力」
- 道路の向かいにある信号機を注視する「注意力」
- 信号が青に変わった時に渡り始める「判断力」
など、認知機能を無意識に用いています。
ところが統合失調症になると認知機能が障害され、理解力や記憶力などが低下してしまいます。その結果、考えることや判断すること、そして日常生活までもが困難になるのです。
「判断ができない」と感じた時は病院を受診しよう
「判断ができない」「考えがまとまらない」と感じたら、早めに病院を受診しましょう。
うつ病・双極性障害・統合失調症の可能性がある場合は、心の病気を得意とする「精神科」の受診がおすすめです。似た診療科に「心療内科」がありますが、心療内科はストレスなどから来る身体の症状を得意としていますので、少しニーズとはずれてしまう可能性があります。
今回ご紹介した3つの病気は、早めに医療につながって適切な治療を受ければしっかり回復していきます。
「いきなり病院に行くのは不安」という方は、精神保健福祉センターでの無料相談を利用してみてはいかがでしょうか。公認心理師・臨床心理士・精神保健福祉士・医師・保健師、看護師などの様々な専門家に症状や悩みを相談できます。必要に応じて関係機関の紹介もしてもらえますので、ぜひ活用してみてください。
まとめ
「判断ができない」「考えがまとまらない」という時には、
- うつ病:思考力や集中力の減退や決断困難
- 双極性障害:【躁状態】観念奔逸、【うつ状態】思考力や集中力の減退や決断困難
- 統合失調症:認知機能障害
といった心の病気が隠れている可能性があります。
どれも早期に治療を開始すれば回復できる病気ですので、「心配だな」という場合にはぜひ病院を受診してみてくださいね。
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